コストと手間を考えると
昨日付けですが、気になる話題がありました。
日下はかつて住んでいたところがごみの分別収集に熱心だったため、子どものころから関心がありリサイクル推進派でした。
その点で今回のニュースに賛意を指名すのかといえばそうではなく、「今さらなんで?」という気がします。
日下が関心を示していた30年以上前は、プラスチックの焼却による煙に含まれるダイオキシンの問題もあり、リサイクルの必要性が叫ばれていました。
しかし、その後焼却炉の性能がとても進化し、厳しい環境基準をクリアしたものに自治体の処分場も更新されていきました。そして今度は、焼却による発電や熱エネルギーの活用(サーマルリサイクル)のために、燃焼効率のいいプラスチックも単独または他の可燃ごみとの混焼により燃やされています。
清掃工場の近くに温水プールがあるのは活用例の一つです(迷惑施設に対する地域への補償も兼ねているでしょうが)。
日本のプラスチックごみの行方を知って、冷静な議論を
https://synodos.jp/society/22945
また、どこの自治体でも行われているペットボトルのリサイクルですが、これも回収したペットボトルのうち7割が焼却され、サーマルリサイクルに回っています。
世界基準からズレた日本の「プラごみリサイクル率84%」の実態
https://forbesjapan.com/articles/detail/24796/1/1/1
本来的にはきっちり再生プラスチックや再生ペットボトルにするのが理想でしょうが、あとはコストと手間の問題でしょう。
プラスチックごみやペットボトルをケミカルリサイクルで再生するのにはコストがかかります。また、新品よりも品質では確実に劣ります。そのような製品を使うのは、環境問題に積極的に取り組んでいることをアピールしたい企業だけでしょう。
また、プラスチックごみの再生の工程では同じ種類のものを集約したり、汚れたものは使えません。ペットボトルの回収時に洗ってキャップを外してというのはこのためです。
世界でプラスチックのリサイクル率が低い5つの理由&日本の現状
https://lessplasticlife.com/plastics/trash-recycle/why-are-plastic-recycling-rates-so-low/
経済的合理性の観点からみれば、よほど環境保護への意識が高ければ可なのでしょうが、世の大半の人々はついていけないと思います。日下も今では燃やせばいいと思っています。
環境問題について、自分自身の問題として一人一人が受け止めなければならないものではありますが、殊にごみ問題に関して日本は世界最高水準の取り組みをしていると思います(古紙回収もお金にならないくらい集まりますから)。
今回の国の方針は、廃棄物処理のシステムによって合う自治体とそうでない自治体とが出てくると思われます。ここはひとつ個々の自治体に判断をゆだねて、住民がなぜ自治体ごとにシステムが違うのかを理解できるようにするべく啓発することの方が有効ではと思います。
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